REPORT

吉川Family Presents「僕らの街から」vol.9
2016.1.23(土)
札幌 ペニーレーン24
【Guest Act】Diggy-MO' / EverZOne
【支援先】みちのくKids・福島の子どもたちを守る会・LIGHT UP NIPPON HOKKAIDO
【支援金額】¥236,400
【集客数】257名
 2011年7月から始まった「僕らの街から」。
「”継続すること” に意味がある」という言葉と掲げたテーマのもと、半年に1度のペースで実施してきました。
一方、生活環境や仕事のリズムが変わる吉川やTRIPLANE。C.I.Project に限ってはバンドが活動休止に入るなど、日々の経過と共に起こる”変化”という当たり前の現象は、イベントに対する想いとは裏腹、予想以上に高い壁となっていました。

”この状況を如何に乗り越えるか”
vol.9 までの道のりはここからスタートしました。

 イベント開催の予定時期を当初の秋から年をまたいだ冬にしようと決めたのは、2015年6月のこと。
顔を合わせながらの話し合いはもちろん、電話やLINEなどで何度も意見交換を重ね決断しました。
空いた期間では、vol.9 の構想や準備にいつもより余裕を持って取り掛かりつつ、募金活動も行うことに。
小さな募金箱を僕らの意思に賛同してくださる飲食店や公共施設に置いていただくことになりました。

 募金箱はライブやイベント会場にも設置。
TRIPLANE Vo.江畑のソロライブツアーや、河野とTRIPLANE Dr.広田が行う「ゲンタン懇談会」では総額10万円弱の募金が集まりました。

イベントの開催に向けて準備が進みだした10月、過去4公演 (vol.5〜8) の会場だった大通公園ホールをもつ札幌ビジュアルアーツ専門学校から「学校の事情が変わりホールの利用が厳しくなった」と連絡が入ります。
ここでも”変化” の壁。ただこの2年間、ビジュアルアーツの生徒の皆さんと共にイベントを作れたことは大きな軌跡となり、感謝しかございません。 残念ではありましたが、即座に対応を考えました。
 会場の選定に様々な意見が出るなか、今回のゲストアクトに元SOUL’d OUT のメンバーである「Diggy-MO'」さんと、北海道を代表するダンスボーカルグループ「EverZOne」の参加が決まります。
吉川の番組にゲスト出演されるたびにこのイベントのことを気にかけてくださっていたDiggy-MO'さんと、江畑・広田・河野とプライベートでも親交の深いEverZOneの参加決定は、この状況で大きな勇気になりました。
「こんなに毛色の違う4組が出演するイベントなんてなかなか無いよな!」という吉川の言葉から、vol.9 は”ライブ感” を全面に出す方向に決めたのは10月末。よって会場も vol.3と4でお世話になった札幌のライブハウス ペニーレーン24 に決定。開催日も2016年1月23日に決まりました。

 開催が近づいてきた2015年12月、今回のテーマを「笑顔」に定めました。会場に集う ”楽しい” ”嬉しい”というエネルギーが支援につながるというメッセージです。
このテーマに拍車をかけるようにメイクアップアーティストの「寺長根 愛」さんの参加も決定。
このイベントに音楽以外のアーティストの方が参加するのは初。楽しみが増しました。

 年が明け1月。イベントまであと10日をきったタイミングで報知新聞が僕らの街からを取り上げてくださいました。
取材を受けたのは吉川・江畑・河野の3名。
「まさかこんな日がくるとはなぁ」とはにかみながらも真剣に質問に答える姿が印象的でした。

 迎えたイベント当日。
開演前にペニーレーン24 2Fのスペースで寺長根さんのメイクチームによるチャリティーメイク(参加費無料)が行なわれました。プロのメイクアップアーティストの方々がその人に合うメイクをレクチャーしてくださるということで、たくさんの方々が参加されてました。

開演後、ステージに向かって右側に設けられた特設ミニステージには、寺長根さんと広田の姿が。
特に言葉を発することもなく着々とメイクをされる広田。
なんともシュールなこの光景にはお客様はもちろん、他の出演者も笑っていいのか悪いのか… という独特の空気が流れていたことを覚えています。

いよいよ開演。
吉川・江畑・河野がいつものようにステージに登壇。
イベントの趣旨説明や今回のテーマを発表。
メイクが完成した広田を見て、ひとイジりからの苦笑。
会場が柔らかい雰囲気に包まれました。

そしてライブのスタート。
今回のトップバッターはEverZOne。キレのあるダンスと爽やかな歌で魅了します。その後は ギター1本 ソロでの出演となった河野玄太の弾き語り。圧倒的なライブパフォーマンスを魅せてくれたDiggy-MO'。最後はTRIPLANEの熱いライブと続きました。

ステージセットの転換中には、寺長根さんによるメイクアップショー。
モデルの方がどんどん鮮やか且つ華やかに彩られていきました。

また、チャリティーグッズ企画第2段も実施。
今回は vol.9 全出演者のサインが入ったビールジョッキ!数量限定のため抽選会が行われ、当選番号が呼び上げられる度に会場がわきました。

最後はテーマソング「輪になって」を出演者・お客様全員で演奏。
なんとDiggyさんはピアノでの参加。この日しか観ることのできないパフォーマンスに会場は1つになりました。

 それぞれの毎日がある故に、”続けること”の難しさを再認識しています。
震災から5年が経ち、もはや被災地の現状を報じるニュースさえも少なくなってきているように思える昨今。
だからこそ、今こそこのイベントを開催する意味があるのではないか。僕らはそう思っています。
 地震が起こる前の日常を取り戻せず、悩み苦しんでいる地域・人々が今でもたくさんいる。
それを知ってもらうために「僕らもこの目で現状を確認し感じることが必要なのではないか」。
そんな意見が出たのはvol.9開催後、数週間が経ったある日のことでした。