REPORT

吉川Family Presents「僕らの街から」vol.6
2014.5.11(日)
札幌 大通公演ホール
【Guest Act】KAN / カラーボトル
【支援先】みちのくKids・福島の子どもたちを守る会・LIGHT UP NIPPON HOKKAIDO
【支援金額】¥387,900
【集客数】331名
 「おいおい、ちょっと凄いことになるかも…」。
Vol.5が終了してから1ヶ月。吉川・ TRIPLANE Vo.江畑・C.I.Project Vo.河野の首脳会議に TRIPLANE Dr.広田が加わり、Vol.6へ向けた話し合いを行なっている場で、吉川が切り出します。
「マジで出てくれるかもしれないよ、KANさん」。その言葉に他の3人が「マジすか??」と口を揃えます。
STVラジオで長い間番組を担当しているKANさんは吉川と親交があり、「僕らの街から」のことを知ってくださってから開催が決まる度にご自身の番組で告知をしてくださったり、テーマソング「輪になって」を流してくださったり、たくさん協力をしてくださっていました。
Vol.5も無事終えることができました。と吉川がKANさんに報告した際、ダメ元で「もし良かったらKANさんも出て頂けませんか?」と聞いたところ「うん、いいよ」と、非常にカジュアルにお答え頂いたとのこと。
エンターテインメントの追求力に抜群の定評があるKANさん。もし本当に実現したら、これはイベントを企画・運営する上で、もの凄くいい経験ができるぞ!と、胸が高鳴りました。
  と同時に、もう1組のゲストをどうするか?という話題に。
色んな意見が出る中、東北は仙台出身のロックバンド「カラーボトル」の名前があがりました。
震災をリアルに経験した彼らだから発信できるメッセージを、このイベントで放ってもらいたいという意見に全員が納得。
この2組に正式オファーをし「OK」の返事を頂けたのは、この話し合いから数週間後のことでした。

  難航することが多いゲストの選定が順調且つ理想的なカタチで進めることができたため、他の準備もスムーズに運ぶことができました。
会場は前回と同じ「大通公園ホール」。専門学校の生徒のみなさんと実施できることも決まりました。
支援金は前回同様「みちのくkids」「福島の子ども達を守る会」。そして今回は「東北を 日本を 北海道を 花火で 元気に」をテーマに、震災の追悼と復興の願いを込めて被災地沿岸部十数ヵ所と北海道で、同じ日・同じ時刻に花火を打ち上げている「LIGHT UP NIPPON HOKKAIDO」へ送らせて頂くことに決めました。
ポスター・フライヤーのデザイン、紙広告の発注、映像演出の構成なども比較的早めに定めることができました。

  2013年が終わろうとしていた頃、KANさんとの懇親会が決まります。
予定より早く会場に着き、待つこと20分。“ガラガラ” と開いた扉の向こうにKANさん登場です。
緊張を隠しきれない河野を見て笑う吉川。和やかなムードの中、乾杯をしました。
飛行機の都合で少し遅れた 江畑・広田も合流し、話題は「僕らの街から」についてへ。
Vol.6 はもちろん、それ以降の発展の仕方に関しても真剣にアドバイスをくださるKANさん。「お客様が最初から最後まで “楽しかった!” と思ってくれるイベントにしたいよね」という意見から「ステージの転換中に面白いことをやろう。」ということに。
また本番の「輪になって」のピアノもKANさんが弾いてくださることなったりと、ワクワクすることをたくさん決めることができた会でした。
  一方で、終止緊張がとれない河野へ、上海ガニの食べ方(シャブリつき方)をこれまた真剣にレクチャーする姿から、その人柄とユーモアも感じました。

  年が明けて落ち着いた頃、開催日が5月11日に決定します。
今までの流れだと3月もしくは4月に実施する予定でしたが、出演者それぞれのスケジュールの都合を加味しこの日程にしました。
それに伴いポスター・フライヤーが完成。
いつものように C.I.Project メンバーを中心に、自分達で飛び込みでお店などをまわり掲示をお願いします。が、今回は感触が違います。
主旨を説明しお願いしても断られることが多いのです。同様の感想は前回も感じましたが、今回はその経験を合わせても驚くほどでした。
イベントへの熱意が高まる中、この風化のスピードと現実に、悲しみとも違う何とも表現しにくい無力感のようなものが込み上げていました。

  4月上旬、KANさんと最終打ち合わせをさせて頂きました。
ステージの転換時に楽屋スペースでクイズ大会を行い、それを会場のスクリーンに中継しようと決まったのはこの日のこと。
急きょ決まったその発案は準備が少々大変でしたが、「そのクイズは僕が考えるね」というKANさんの言葉でそんなことはどうでも良くなり、ただただ当日が待ち遠しくなったことを覚えています。

  本番前日。
ビジュアルアーツの生徒のみなさんを中心に会場設営が進みます。
17時過ぎにゲストの2組を含めた出演者全員が前日に会場に入りました。
いつもは TRIPLANE の演奏で「輪になって」を歌うため当日にリハーサルをし本番を迎えていたのですが、今回は KAN さんがピアノで入ってくださるため、前日からリハーサルを行ないます。
アレンジや構成を変えつつ何度か合わせると、ステージ上のメンバー全員の息が合って行くのを感じました。

  そして迎えたイベント当日。
会場には331人のお客様がお集りくださいました。これは過去1番の集客数。風化を感じていただけに、とても嬉しいことでした。
  ステージに吉川・江畑・河野が登壇し、挨拶とコンセプトの説明を行ないます。

映像を用いた出囃子からライブがスタート。トップバッター C.I.Project が会場を大いに盛り上げます。

  注目のステージ転換。
スクリーンがパッと明るくなり、フリップを置いた回答席に江畑・河野・KANさんの姿。
まるでTVのバラエティ番組のようなその映像に、会場は “ザワザワ” とざわめきだします。
そこにスーパーハイテンションMC 吉川典雄 が登場。軽快なトークとサバきに、ざわついていた会場が一気に爆笑へと変わりました。
クイズ大会は大いに盛り上がり、普段のライブでは “休憩” になる転換部分も、笑顔が絶えない時間として共有することができました。

  もちろんライブも素晴らしい展開に。
東北への想いを胸に、情熱を全面に出した “パッションロック” で魅せる カラーボトル。
ド派手な衣装と名曲を合わせ、繊細に “愛” を表現するKANさん。「愛は勝つ」で大通公園ホールがわいたのは言うまでもありません。
最後を飾る TRIPLANE の熱いライブで会場のボルテージは最高潮に達しました。

  吉川の呼びかけから出演者が全員登壇。
お客様も含め全員で歌った「輪になって」では、会場が1つになっていると心から感じることができました。

 「僕らの街から vol.6」も無事終了。
「1人じゃ何もできない、だからこそみんなで手を繋ごう」。僕らのこのメッセージが少しづつ届き始めているように感じた回でした。
この日、大通公園ホールに溢れたたくさんの笑顔が誰かの笑顔に繋がることを信じて、このイベントを続けて行きたいと強く思いました。