REPORT

吉川Family Presents「僕らの街から」vol.2
2012.3.11
札幌 コンベンションセンター特別会議場
【支援先】みちのくkids
【支援金額】¥110,090
【集客数】146名
「このイベントは “続けること” に意味がある」
Vol.1が終了してから約1ヶ月、メンバー内ではよくこの言葉が飛び交っていました。
震災から約半年が過ぎ、ニュースの大半を原発問題が占めるようになっていたこの時期。その現状を知れば知る程、事態の収集とは程遠いある種の無限トンネルの中にいる様な現実を感じていました。

  そんな中、吉川が担当する番組内で「被災地から北海道へ避難してきた子ども達を集めて、レクや授業を行っている学生ボランティア団体『みちのくkids』」を取り上げました。
その活動資金は、書き損じハガキや未使用切手などをお金に換えて得ていることを知り、僕らは次回の支援金の送り先を「みちのくkids」に決めました。
「みちのくkids」、並びにその母体である「みちのく会」の方々と直接お会いさせて頂いたのは2012年年明け早々のこと。リアルな現状を聞かせてもらった一方で、みなさんの表情や口調がとても明るかったことを印象深く覚えています。
我々が Vol.2の開催を3月11日に行いたい意向を伝えたところ、その日札幌コンベンションセンターにて北海道に避難して来られた方々を集めた大きな式典があることを教えてもらい、その一部として実施してみては?と逆提案をして頂いたのもこの日のことでした。ちょうど会場選びが難航をしていた僕らは「それが実現できたらこんなに嬉しいことはありません」と、その日から札幌コンベンションセンターでの開催を目指し動き出しました。

  コンベンションセンターや式典実行委員の方々と打ち合わせを重ね、3月11日の午後より特別会議場での開催が正式に決定したのはそれから数週間後のこと。
大きなシャンデリアが目立つこの特別会議場、普段はAPEC首脳会議などの大きな国際会議などが行われており、チャリティーとはいえ音楽イベントを実施するのは当然初めてとのことでした。
故に会場の下見の段階から、音響設備の配置などの計画はいつも以上に慎重に行いました。

  イベント当日。2012年3月11日。
震災から1年のこの日、テレビやラジオはどの局も特番を組んでいました。
 午前8時30分。誰よりも早く会場に入り音響システムを組んでいたのは、TRIPLANE Gt.川村でした。
デビュー前に音響の仕事をしていた経験を持つ彼を中心に、定刻に会場入りしたメンバー全員で会場を設営。
正午前にはセンター内の別会場に北海道知事や札幌市長が訪れ、同所に集まった避難者のみなさんに向け挨拶をされました。
吉川がSTVラジオの震災特番の中継を同センターより行う中、「僕らの街から vol.2」を行う特別会議場ではイベント開場前に避難者の方々をホールにお招き、TRIPLANE Vo.江畑と C.I.Project Vo.河野 がこのイベントを企画した経緯、またそれにかける想いなどを話した後、北海道出身の先輩ミュージシャン・玉置浩二さんの「メロディー」を披露しました。

  開場後、特別会議場には僕らの想いに賛同してくださった146名が着席。
迎えた14時46分。出演者・来場者全員で1分間の黙祷。それぞれの想いと共に、目を瞑りました。

  そして本番。
今回も吉川のMCよりスタート。
力強い C.I.Project のアコースティックライブ、感情溢れる TRIPLANE のアコースティックライブと続きイベントは終盤へ。
  吉川の呼びかにより後方の出入り口が勢いよく開くと、ご当地のゆるキャラやピカチュウと共にたくさんの子ども達が入ってきました。
「ワァーッ!」と涌く会場の中、ステージからは聴きなじみ深いメロディーと軽快なリズムが成り響き出しました。TRIPLANE with 守屋翔平(C.I.Project Dr) スペシャルバンドが「アンパンマンマーチ」を演奏します。
心温まる光景・空間。会場がこの日1番の盛り上がりをみせる中、やなせたかしさんの歌詞と子供たちの無邪気な笑顔に、何度も涙が込み上げてきました。

 「僕らの街から Vol.2」は無事終了。
イベントを運営する上で反省や課題はたくさんありましたが、震災からちょうど1年のこの日にこのような形で実施することができたことは本当に良かったと感じました。