REPORT

吉川Family Presents「僕らの街から」vol.3
2012.9.2(日)
札幌 PENNY LANE24
【Guest Act】みのや雅彦/太陽族
【支援先】みちのくkids
【支援金額】¥144,696
【集客数】187名
  嬉しい誤算と予想外の展開から発展し実施することができた「僕らの街から Vol.2」。
終了してから約1ヶ月後に行なわれた反省会は、運営方法や企画の進め方の見直し、そして改めてこのイベントの主軸をどこに置くかという議題を中心に話し合いました。
「もっと “音楽” を通じて倫理的に訴えかけられるイベントにしたい」という意見から、今まで以上に “ライブ感” を強く出したアプローチにしようと決めたのはこの日でした。
  SNS「LINE」で「僕らの街からグループ」を作ったのはその数日後のこと。
しばらく真面目な話しは一切なく、学生のようなふざけたメッセージを交換し合う日々が続きました。

  まず取り組んだのは会場探し。
Vol.1・2 共にアコースティックセットによるライブだったところを、今回からフルバンドスタイルでの実施を強く望んでいた僕達は、札幌のライブハウス「ペニーレーン24」の大槻社長へ相談をさせて頂きました。
ご自身も震災直後からチャリティーイベントを立ち上げ実施されていた経緯もあり、僕達の意向をすぐ理解してくださった大槻さんは「もちろん協力しますよ!」と快諾してくださいました。またその場で開催候補日・チケットの手配方法・会場料金・会場設営のレイアウトまで様々なアドバイスをもくださいました。
それまで全ての業務をメンバーのみで行なっていた僕達にとって大槻さんの助言はとても嬉しく、大きなパワーでした。

  次はゲストアクトのブッキング。
ライブハウスでの実施が決まったことにより、イベントの内容を大きく変えることができます。
公演時間が伸びたことによって、主催のTRIPLANE・C.I.Project 以外のミュージシャンの出演が可能になったのはそれを象徴すること。今回からゲストアクトを2組迎えることにしました。その目的はライブとしてのボリュームを上げることはもちろん、普段僕らのライブにお越しにならない方々にもこのイベントのことを知って頂きたかったためです。
たくさんの候補があがる中、いち早くこちらの呼びかけに気持ちよくOKをくださったのは、北海道出身の大先輩ミュージシャン「みのや雅彦さん」と 、同じく同郷で TRIPLANE とは同年代、C.I.Project からはこちらも大先輩のパンクロックバンド「太陽族」でした。
名声や実積以上に気持ちが通じ合う方と一緒にやらせてもらいたかった僕らは、新体制最初のゲストがこの2組で本当に良かったと今振り返っても感じます。
  それを象徴するエピソードを1つ。住居を東京に構える太陽族 Vo.花男さんが仕事で札幌帰ってくる際に吉川に連絡があり「もし可能だったらみんなで1度集まって決起集会をやりませんか?」と打診をしてくださったのです。吉川がすぐにメンバー全員とみのやさんのスケジュールを確認。イベントを約2ヶ月後に控えた7月に異例の決起集会が行われました。ほど良い緊張感のなか乾杯をし、震災やイベントについての想いと意見を交換し合いました。「僕らの街から Vol.3」の方向性が定まっていくと同時にコミュニケーションも少しづつとれていき、後半は爆笑に次ぐ爆笑。最高の集いでした。TRIPLANE Vo.江畑が「僕と(C.I.Project Vo.)玄太でイベントのテーマソングを書きます!」と手を上げたのもこの集いの中でのこと。「9月の開催までに完成できたら出演者・お客様全員で一緒に歌う演出をしよう」ということになったのもこの話し合いで決まりました。

  そこからは各々細かな打ち合わせや準備に取りかかりました。
今までなかったフライヤーの制作に C.I.Project のDr.守屋が。会場のスクリーンを使い映像演出を入れ出したのもこの回からでした。
一方、TRIPLANE Vo.江畑とC.I.Project Vo.河野 はそれぞれ移動をしながらライブ活動を行なう中、Skype を用いてその距離を埋め、楽曲制作に取り組みました。   僕らの街から テーマソング「輪になって」が完成したのは8月の下旬。
イベント当日のセッションに向け、すぐに歌詞のパート分けをし、みのやさんと太陽族へ送りました。また会場にお越しになられた方々にもこの歌を知って頂きたく、札幌組(吉川・C.I.Project)で手作りの歌詞カードを制作。「高校の文化祭みたいだね☆」と語り合いながら行なった作業は前日の深夜にまで及びました。

  迎えた当日。
タイムスケジュール通りに会場入りするメンバー。しかしみのやさんの姿だけが見えません。事件発生です。
みのやさんのリハーサル時刻が迫る中、吉川がみのやさんマネージャーに確認すると「すみません、前日も地方でライブがあり……(※ここからはみなさん、お察しください 笑)」とのこと。
その状況をみていた太陽族のみなさんが「僕ら先にやりますよぉ!」とフォローをしてくださり、事件は解決へと導かれました。
その後、遅れてきたみのやさん。悪びれる素振りどころかプロレスラーの入場のごとく堂々と登場。その姿に愛おしさ以外、何の感情もなかったことを覚えています。

  定刻、いよいよ開演。
吉川がステージに登壇し、今回の主旨やイベントを新形態にした理由などを説明します。

その後、映像を使い支援先である「みちのくkids」の活動を紹介。同時に前回みなさんから集った支援金がどのように使われたかを報告しました。
出囃子と共に トップバッター C.I.Project が会場を盛り上げます。そこから太陽族の熱い熱いライブ。ユーモアと感情漲るみのやさんの圧巻の弾き語り。盛り上がりの最高潮は TRIPLANE のライブで向かえました。

  熱気が覚めやらぬステージに、MC 吉川が登壇。全出演者を呼び込み、いよいよテーマソング「輪になって」の初披露。
体を揺らしながら、手を振りながら、歌詞をみながら、涙を浮かべながら。お客様がそれぞれの想いと共に楽曲を聴いている姿が印象的でした。

  形態を大きく変えて望んだ「僕らの街から vol.3」も無事終了しました。
不慣れな企画・進行に力を貸してくださったペニーレーン24大槻社長やスタッフのみなさん、僕らの想いに賛同し参加してくださったみのや雅彦さん、太陽族、そして集まってくださった全ての方々に心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。